金木犀のアリア
鍵盤を滑る鮮やかな指の動きも奏でられる音も、超絶技巧演奏家として名高い天才ピアニスト周桜宗月、詩月の父親を彷彿させる。



詩月の父、周桜宗月はどんな時も、どんな難曲も完璧に感受性豊かに弾き、聴衆を魅了させるピアニストだと言われている。


――ミスはしない。
なんとしても弾いてやる。これが僕のラ·カンパネラだ



教授達は、詩月の演奏に並みならぬ意志を感じた。



「親子だな」

誰かが、ふと漏らした。



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