金木犀のアリア
5章/ヴァイオリニストの指
1話/ヴァイオリン
「周桜、コンクールの課題曲、守備はどうだ?」
「夢のあとに」を弾き終えた詩月に 教授が尋ねる。
「ええ、まぁ……」
5分間、思い切り弾ききり、息がかなり上がっている。
教授の表情が、やけに明るい。
詩月は、突然の演奏曲変更を咎められるかと思っていた。
それに終盤に弾いたアレンジは、教授に評価してもらえたのか?と不安になり、胸に手を当てる。
凍った空気、突き刺さるような冷たい視線の中で、詩月は何とか最後まで弾ききったが、弾いている間中、緊張で体ががくがくと震えていた。
いつ教授の怒鳴り声が落ちるか、弦が切れるか?気が気ではなかった。
詩月は、長い溜め息をつく。
「夢のあとに」を弾き終えた詩月に 教授が尋ねる。
「ええ、まぁ……」
5分間、思い切り弾ききり、息がかなり上がっている。
教授の表情が、やけに明るい。
詩月は、突然の演奏曲変更を咎められるかと思っていた。
それに終盤に弾いたアレンジは、教授に評価してもらえたのか?と不安になり、胸に手を当てる。
凍った空気、突き刺さるような冷たい視線の中で、詩月は何とか最後まで弾ききったが、弾いている間中、緊張で体ががくがくと震えていた。
いつ教授の怒鳴り声が落ちるか、弦が切れるか?気が気ではなかった。
詩月は、長い溜め息をつく。