ご主人様に監禁されて
高遠と彼女は、付き合っていた。
過去形なのは述べた通り、浮気が原因で別れたから。
高遠は彼女の不機嫌さは自分のせいと思って、それを和らげようと言い訳を言ったわけなのだが。
「ふざけないでっ!」
それは逆に彼女の神経を逆撫でした。
「落ち込んでる彼女見て、普通迷う!?
普通ならとことん慰めて、癒すでしょうが!
それを傷口にカラシ塗るような真似して、それで言い訳ぇ!?
ふざけんなっ!ふざけんなふざけんなふざけんな…」
最初はただの落ち込みが、重なりあって怒りになる。
よくあるケースに、高遠は手がつけられなくなっていた。
「もう構わないでっ」
手ぶらでもなんでも、どうでもいい。
彼女は事務所を勢いよく去っていった。