ご主人様に監禁されて

｢あのね、メイ、大旦那様にエルナリーゼって呼ばれてる時、すっごくすっごく辛かった｣


｢……｣


｢でもそれは、たぶんご主人さまのことを考えてたからなんだってこと、忘れたくないんです｣


｢……？｣


理解をしようと必死に考えた。

ルコーラに犯されながら、ルイのことを考えた。それを忘れたくない？

｢……うう、｣

理解力が欲しい。

頭を抱えながら必死に考えてると、メイが続けた。


｢あの、野崎さん。お願いがあるですっ｣

｢はい、なんでしょうか？｣


｢……しばらく、メイ、ご主人さまと会いたくないです…だから、野崎さんと一緒にいたい…｣


｢え？社長といたくない？｣

｢……ご主人さまに触られたくない……｣

｢それは、男の人が怖いから？｣

首をかしげて。


｢……違うと思うです。怖いからじゃなくって、悲しいの方が大きいもん｣


｢悲しい……？｣

｢メイ、ばっちいから。触られたらご主人さままで汚れちゃう気がして。……それに、ばっちいメイ見られたくないです。あとメイ汚いから嫌われちゃうのも悲しくって、あと、えっとえっと｣


｢一一っ、あ……｣



それで理解した。



支離滅裂に必死に言葉を紡ぐメイの感情の意味が。

そしてそれは、涙が出そうになるほど残酷な感情だった。





｢……メイさん、まさか、社長のこと好きだって気づいたんですか？｣




｢……｣


バツが悪そうに、視線をずらした。


それは、肯定を意味していた。