ご主人様に監禁されて
◇◇◇
「社長、何をなさっていたのですか?」
昼間二時間も抜けていた社長に、野崎が問い詰めた。
コーヒーを飲みながら書類に目を通しているルイは、ちらりと野崎を一瞥し、また書類に目を戻した。
「ランチだ」
「嘘はよしてください。どうせメイさん絡みでしょう?」
ため息をこぼして、社長室を見据える。
誰もいない、と意味してるのだろう。
めんどくさそうに視線をさ迷わせ、書類から目を離して野崎に向けた。
「…ちょっと出掛けていたのだよ」
「出掛け?どちらにです」
「メイの家庭教師の自宅に」
「…え?じ、自宅?」
思わず野崎は聞き返した。
事務所等に話をつけてきた、ならばわかる。
だが、自宅に直接行くのは解せない。
「…なぜ、自宅に」
「ああ、あと僕の自宅にも行ったな。二ヶ所回ってきた」