ご主人様に監禁されて
気を緩めればまぶたを閉じてしまいそうだ。
そして、溢れるメイ。
何をしてるのだろうか。今日は少し肌寒いから、お気に入りの白のリボンのついた青のカーディガンを羽織ってるのだろうか。お腹を冷やすと大変だから防寒だけは…。
「……ふっ、」
気持ち悪いな、と思ったので、急いで頭から振り落とした。
ふと、ダンボールが目に入る。
やはり確認は必要だろうと、ガムテープを剥がした。
クリアファイルがぎっしりと詰め込まれていて、とりあえず手にとってみた。
様々な書類を挟んだものがほとんどだったが、小さなアルバムを見つけた。
「……これ、」
開けば、公園で遊ぶ幼いルイと兄がいた。
父親に写真を撮られた覚えはない。ならば、間違いなく一一母親が撮ったものか。
「……」
こんな時もあったのだな、と少し和んでいたら、また奥に本を見つけた。
これもアルバムか、と思い、伸ばした手を止めた。
「これ……」
【ルコーラ・ヒューアス】と書かれたノートであった。
久しぶりに見た父の直筆に戸惑いながらも、そっと適当なページを開いてみた。
【5月16日
彼女は今日も王女のところだ。こちらには見向きもしない。贈り物を送ってもすべて返されてしまう。その件について問うたら、「賄賂を受け取ったとシャリル様に泥を塗るわけにはいきませんので」と言われる。そんなにあの王女が好きか】
日記だ、そう確信した。
あの父親が日記をつけていたなんて驚きだったが、中は日記というよりはきだめと言うべきものであった。