ご主人様に監禁されて


【こんなにも欲しいと思ったことはないのに、どうして彼女は私のものにならないのだろうか。口を開けば王女王女。いつか私のことしか口にしない日は来るのだろうかと不安になる】


「……」


【5月20日
仕事で王宮へ迎えたのでエルナリーゼに久しぶりに会う。
やつれていたので心配して、シャリル王女にきちんと休ませるよう訴えた。すんなり了承し、エルナリーゼを気遣ってもくれた。
「余計なことをしてくださいましたね」と怒られたが、「でもありがとうございます、ゆっくり休ませていただきます」とお礼を言われた。正直嬉しくてたまらない。まるで小学生みたいだ。】


そこには一一


【5月22日
シャリル王女のご結婚が決まった。
完全に恋愛結婚で、相手は神官だった。
まだまだ本当の結婚は先だが、あいつは当然のようについていくと言った。
どうして人生を王女ありきでしか考えられないのか。
ここまで愛されている王女が憎くて仕方ない】



【5月25日
エルナリーゼの家がエルナリーゼの見合い相手を探しているらしい。
受けるつもりはないと言っていたがいまいち信じられない。
私以外の誰かのものになるなど許せない。時間が無い、急いで彼女をものにせねば】



そこには、嫉妬に狂ったただひとりの男がいた。



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