ご主人様に監禁されて
◇◇◇



錯乱したメイが目をさましたのは、夜中だった。


「……」

天蓋つきのベット。

月明かり照らす、豪奢な部屋。


見慣れてるはずの景色に視線をさ迷わせた。


「……あれ?」


むくりと起き上がり、首を傾げた。

手が引っ張られたので見てみれば、メイの手はルイに繋がれていた。

ルイはベットに突っ伏すように眠っていて、しかもまだスーツ姿。

手だけが温もりを共用していた。


「……あの、えと〜?」


トントンと、肩を叩く。

金髪がさらりと揺れて、ルイががばっと表を上げた


「メイ!」


起きたのが嬉しいのか、顔がほころんでいる。


「よかった、痛いところは!?本当にひどい目にあったな、大丈夫か?顔色はいいみたいだな。傷は手当てしておいた。からだ中アザだらけだったから、湿布まみれになったが…まあ、我慢してくれ。割れたカップとかもきちんと片付けた。カップ投げるなんて聞いたことがない!最低だな、メイ!………メイ?」

そこまで一気に話してから、ふとメイの異変に気づいた。

目の焦点が合わない。

ぼんやりと矢継ぎ早に話すルイを見つめている。






「…あの、だあれ?」




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