ご主人様に監禁されて


「――っ」


驚愕に青を見開いた。



「お兄さん、だあれ?」



心底不思議そうにルイを見る。


「め、い…」


がらがらと、目の前の愛しい人が崩れていく。

自分が認識されていない事実に、心臓が止まるよりも恐怖を覚えた。


そして、思い出した。




――彼が愛した彼女の境遇を。




「あのね、メイよくわかんないけど、お兄さん何かあったの?」


ルイは、どこか幼く聞いてくるメイの手を離し、小さな頭を胸に抱き締めた。

リンカーングリーンのツインテールに手のひらをあてる。



そして、包むように頭を撫でた。



「…あ…」


「――メイ、もう大丈夫だから、戻ってこい」


そう祈るように呟く。

いつになく大人びた、切羽詰まった声。


ルイの、メイへの愛情がわかった。


ひとしきり頭を撫で、胸から解放する。

そっと離れた温もり。


そして、離されたメイはふにゃりと笑った。




「ご主人様、暖かいです」




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