ご主人様に監禁されて
「ちがう!メイちゃんの代わりのことを言ってるんじゃありません!このうすらとんかち!」
思わず悪口を言って、でもそんなこと気にも止めずに。
「あなたがいなくなったら、少なくとも私は寂しいです!
たぶん、リルさまやティンさまだって、高遠さんだって!
どうしてそういう人のこと考えないんですか!
あなたはあなたの世界だけで生きてるんじゃない一一私達の世界にだっているんです!!」
目を見開くルイを気にもせず、野崎はただ言いたいことだけを言った。
「わかった、あなたとメイちゃんがどこか似てる訳が。愛されてると自覚してないところ、そっくしです!」
「何を言ってるんだ野崎」
「ほら!なにもわかってない!“あなたはあなたが思っている以上に、愛されてるんですよ!!”」
胸にしみていく一言を、ルイはゆっくりと咀嚼した。
「お願いします、私の世界からメイちゃんだけじゃなくて社長も消えるなんて嫌です。死なないでください、あなたはそんなに軽くない」
咀嚼して、彼は泣きそうになった。
メイがいなくて震えていた彼は、気づいていなかったのだ。
外に出れば、思っている以上に周りは自分を温めてくれていたことに。
狭いぬくもりだけを追いかけてきたから、周りなんて見たことがなかった。