ご主人様に監禁されて


「野崎……」


「なんですかうすらとんかち、わかったんですか?」


「それは、普通というものなのか?」


「え?」


目を丸くしている彼女に、ルイは確信した。



これは“普通”なのだ。



彼が彼女に与えてあげたかった、“普通の思考”

それはあまりも優しくて、暖かくて。


「野崎、ありがとう」


「な、なんです急に」


少し照れたように笑う彼女が、どうしようもなく嬉しかった。


メイが帰ってきたら、いかに普通が暖かいか教えてあげよう。


外は思ったより、自分を軽く見ていないことを。


「僕はすこし中にいすぎたな」

「え?」




「それが普通だと思っていた、だからわからなかった。

外に出て人に触れることがいかに大事か。

……メイにそれを与えなかったことは、本当に反省しなくては」



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