ご主人様に監禁されて


『気をつけるで思い出した、メイちゃんに暴力シーンを見せないでくださいね。幼児退行するたいしつなんです』

「………え」

『ふふ、そのぶんだともう手遅れなようですね。

大方、襲われてるところにでも遭遇しましたか。メイちゃんもあなたも怪我、ありませんでした?』

適格についてくるリルにたじろぎながら、何があったのかを話す。


「あの、うん…。そう。だいじょうぶ、歌月がやっつけてくれたから」


『わあ、今すごく壁を殴りたいです。……私がその場にいれば英雄は私だったのに……』


「嫉妬しない」


恨めしそうな声に内心苦笑しながら、あの子供っぽい言動は体質ゆえだったのかと考えつく。

たしかにコロリと治っていた。


『メイちゃんの治し方は頭をなでることだそうです。やってみてください』


「ああ……そういうこと。……いや、いきなり治ってたからさ」


『え!?あなた無意識になでなでしてたんですか!?この浮気者!』


なぜ罵られてるのか。頭を悩ませる。

落ち着けるための行動だ。浮気じゃない。否、そもそも付き合ってない。

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