ご主人様に監禁されて
「いえいえ…大したことはされてないのですよ?
ただ、このノロマがっとかお嬢様だかなんだか知らないけれど、こんな服きてんじゃねーよ、ハーフだから調子のんなとかぁ…」
「クビにしよう。僕のメイになんてこと言うんだその家庭教師は。あぁ…やはり僕がいない日中に来るとつけあがるのか。今度は僕がきちんと見定めることにしよう。
…メイは美しいから僻みたくなるのだろうな。ノロマではない。マイペースでふわふわしてる子犬ちゃんみたいに可愛らしいだけだ。僕が選んで買ってきた高級品の服を醜く僻んでるんだな。ハーフは半端者じゃないさ。芸術品だと僕は思う」
ながったらしいが、事実だった。
家庭教師などのお稽古事の先生は、ルイが選んだのではなく、彼が選んだ教室から派遣されてくるものだ。
いくらメイ大好きなルイでも、社長ともなれば昼食以外は会社が彼を離してくれず。
結果ルイは家庭教師に会うことができない状況になっている。
「大丈夫ですよ〜
いじめなんてなぁいさっ♪です!」
「おばけのフレーズで歌うな。
せめてその場合は
いじめなんかじゃなーいさっにするべきだ、無理矢理にでも」
「はっ!そーですね」
バカ正直な会話を繰り広げる二人に、突っ込むものはいない。
「とりあえず、今日まで我慢してくれ、メイ」
「大丈夫です、メイ頑張るです」
「よし、いい子だ」
頭を撫で、サラサラの髪質を味わう。
決め細やかで、繊細な髪の毛は、メイらしい。