ご主人様に監禁されて
ルイと比べると、メイは幼く感じられる。
年の差は11歳。
二人の関係は曖昧だ。
愛人と呼ぼうにも肉体関係はなく、恋人と呼ぼうにもメイは鈍感すぎて一方通行。
幼馴染みでもなんでもない。
ご主人様、と言ってはいるがそれはルイの趣味で呼ばせているだけで、主従関係は結ばれていない。
一番しっくり来るのは、ペットと飼い主だとルイは思う。
餌を与え、世話をし、利用するわけでもなく、ただ愛でて愛する――
いずれは自分の妻にしたいと考えてはいるルイだが、まだまだ未来のことだ。
それに彼女は、自分のものではないのだから。
「ご主人様ぁ、お洋服に着替えてきたです」
変わった敬語を話すメイは、格好が変わっていた。
ネグリジェから洋服に着替えて来たのだ。
メイには白が似合う。
だからルイは、白い洋服ばかり買ってくる。
おかげでメイのクローゼットは白い洋服ばかり。
今日は白に青いレースのワンピースだった。
ついでに、いつものように髪をツインテールに結っていた。
「しっかし…ワンピースやスカートばかりですねぇ」
「女の子なんだから、そうじゃないと」
異文化をこういう所で感じるのだ。
メイはハーフとは言え、日本育ちだ。
しかし、ルイはカサンデュールという国出身。
ヨーロッパの旧家の文化が流れている国で、自然と女性はスカートを強いられている。