ご主人様に監禁されて

「同居人が増える」


唐突に要件を言ったルイに、ほえ?と首をかしげるメイ。


「…どうきょ、にん?」

「…ああ」

「大旦那さまですか?」

「違う。父ではない。


同居人は、リル・ドリュールとティン・二グラスという子供達だ。…といってもお前と変わらないがな」


あまりピンときてないらしく、まだキョトンとしたままだ。

それでいい。

ルイは初めから、メイを彼女らと合わす気などなかった。


会わなくていいのだ、そとの人間たちと会ったって、メイに利益などない。


いや、むしろメイの存在が彼女らにバレれば一一きっと、彼女はそれを父に報告する。

あの自由奔放なKY娘のことだ、絶対そうする。


そうなれば終わりだ。




メイはきっと一一






「ご主人さま?」


「あ、ああ…悪い」


いつの間にか近くなっていた顔。

顔色を伺ってるつもりなのだろうが、誘ってるようにしか見えない。


「……」


この唇を奪えたら。


そう切望するが、彼にはそれができない。


度胸などの問題ではない、これは一一


「ちょっと近いぞ、退いてくれ」


「はーいです」




…これは、道徳の問題だ。


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