ご主人様に監禁されて


かわいそうな話である。

それなら軽蔑しても仕方ない話だ、と野崎は苦い顔をした。


「……だけど父はあっさり王女を見限った。
王女の姉に加担したんだ。

それだけじゃない、王女の姉の娘と僕の兄の婚約の話を進めようとした。

当然母は怒り、約束が違うと出ていった。

血相を変えて探したが、見つからなかった。

そのまま兄と娘を結婚させた」

「うわぁ……」


「それから数年して、母が見つかった。

母は王女のもとに戻っていた。

怒った父は王女を暗殺。母を取り返そうとしたが、母は自殺した」


「……え?」



「…リル様の母親の敵は一一父だ」


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