ご主人様に監禁されて
◇◇◇
野崎の家に来て、二日が経った。
「メイさん、おはようございます。朝ですよ」
カーテンを開けた野崎のおかけで、明るい日差しが差し込んできて、メイの目に焼き付いた。
「あ……ま、まぶしいです……」
野崎が敷いた布団を深くかぶって、明るさから逃れようとする。
「起きてください。朝ごはんはクッキーですよ」
朝は食べたがらないという話を聞いていた野崎は、甘いもので釣ろうとしたが。
「うう、クッキー食べたいけど眠いです……」
甘味より眠りをとったメイ。
それではと鬼畜属性のある野崎は口を開いた。
「では今から一分起きない事に一枚クッキーが減っていきますが良いですか?」
「ええ…!?い、いやですっ起きますっ」
ガバッと飛び起きたメイにほくそ笑む野崎だった。
さて、二日でメイは気づいたことがある。
「……野崎さんって真面目…」
メイがクッキーをかじってる間も、なにやらパソコンのキーを弾いて書類を作っていた。
というか起こしに来たときにはもうスーツである。
朝風呂派の彼女は、メイが起きる前に入浴してスーツに着替えて朝食を済ませているのだ。
一体何時に起きてるのだろう。
「そんなことないです。ただ無駄な時間を使いたくないだけですよ」
彼女は、容赦がない。
一緒に暮らすのが辛い訳では無いが、几帳面でとても真面目な野崎には融通が効かなかった。
『しかたないなぁ』がないわけである。
メイが可愛くて仕方ないルイの甘さに、ずぶずぶと浸かって生きてきたメイにとっては、新鮮だった。
見習いたくなる、容赦のなさ。
ルイが片腕と認めるのもうなずける。