初恋の女の子〜あの子にあえたなら〜
出てきた人に押されてしまって、咲子ちゃんとはぐれそうになったが咲子ちゃんが俺の後ろに隠れることができたのではぐれることはなかったが、今度は後ろから人が押してきたので俺は素早く咲子ちゃんを抱き抱えて電車に乗った。しかし、抱き抱えたまま下ろそうにも人が多すぎて下ろすことが困難だった。
俺は次の駅まで咲子ちゃんを抱っこすることにした、不安定でかなりきつかったが下ろしたいとは思わなかった、咲子ちゃんが俺に寄りかかるようにして頭を俺の胸元に当ててきてそのまま寝てしまったからだ、下ろしてしまったら起こしてしまうし、この寝顔を見るのが最後だと思っていたのでできるだけずっと見ておきたかった、寝顔を見ていると本当にかわいい、さっき咲子ちゃんに過去に帰った方がいいと強がっていたが、本心では寂しくて切なくて今にも泣き出したいほど悲しかった、俺は離れたくない、しかし一緒にずっといたら過去の時代が恋しくなり帰りたくなるだろう、どちらにしても別れなければならないのだから咲子ちゃんの両親たちが悲しむ時間が短い方が咲子ちゃんのためでもあるし、咲子ちゃんはこの時代の人間ではないから俺が覚悟を決めなければならない。
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