あなたの虜 。


「由美ちゃん怖い?」


「へっ!?怖くない!」



「ふっ...怖いくせに」



そう言った男の人。


名前なんだっけ???




「うおおおおおおお!!!!!」



「いやあああああああ!!!!」



お墓の影から突然出てきた白い服をきた人。





私は怖くて怖くて、その場にしゃがみこんでしまった。




ぐいっ!!!!




「きゃあ!」


突然引かれた腕。




「...怖いなら怖いっていいなよ。」




え...?



それはさっきの男の人ではなくて、広瀬くんだった。



「ひっ...広瀬く...んっ。ぐずっ」


「泣かないの...高坂さんは、泣き虫なんだね。」

そういって私の手を握った。



あったかい...。

まだ外は涼しい。



けど広瀬くんの手はあったかかった。



「女の子っは?...ぐすっ。」


「うるさいから。置いてきた。」



置いてきたって...。


まだ広瀬くんの事なんて分かんないけど、
なんかわかんないけど、広瀬くんらしい...?



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