あなたの虜 。
「......。」
「......。」
無言...?
黙々と怪我の手当てをしてくれているはじめくん。
な、なんか今更ながら恥ずかしくなってきた!?
「あっ、やっぱり自分でやるよっ?」
「もう終わるんだから大人しくしてろ」
わたしの前に膝まずく姿は
まるで王子様...
なんて思ってる場合じゃない!
「ねぇ、今日どこにいたの?」
「...猫のとこにいた。あそこは誰も来なくて静かだから...。」
「はじめくんも...大変なんだね.......。」
ボソッと呟いた...
「っ!?」
なによりもびっくりしたのは
はじめくんが元から大きな目を
さらに大きくして私を見ているからだ。
「ふっははっ。そんなこと言われたのは初めてだ。」
「えっ?」
「いつも周りには、きゃーきゃーうるさい女たちばっかりだから、君といると落ち着くよ。まるでマイナスイオン出してるようにね」
「まっマイナスイオン!?」
そこまで癒し能力があるのかな