YUME話
 食堂へ行くと女将が水を撒いていた。私の顔を見ると小首を傾げて微笑んだ。

「いらっしゃい。今日は何の御用ですか?」

丸顔で少したれ目の女将は愛想よく言う。

「こいつらに、うどんを。」

「はい。」

彼女は犬に気づいた。

「可愛い犬ですね。この子には余り物でいいかしら。」

「ああ、ありがとう。よかったな。」

犬を抱いていた少年は、あどけない顔で笑って店の中へ入っていった。

 皆、必死でうどんを食べている。のどをつまらせなければ、良いが。







「皆さん、よく食べますね。気持ちいい。」

「ああ、食べ盛りだから。」












無邪気な彼らを見ている女将は急に暗い顔になった。

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