YUME話



視線を感じる。

刺すような・・・

痛い・・・


私は思わず扇で顔を隠した。

「日の宮様?大丈夫ですか?」





日の宮は私の愛称である。

可愛い少年は、心配そうに私を見る。

「大丈夫・・・」

そう答えて視線を感じたほうを見る。

「あの方」が私を睨んでいた。



いや、睨んでいるのは私を?それとも・・・・・



「あ、忘れていました。」








少年は菫の束を掴むと視線の先の「あの方」のところへ持っていった。
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