YUME話
その夜、私は夫である帝と少し話をした。


「二の君の元服は、少し、早すぎるかもしれないと思ったが、あの子は母も亡くなっているし、弘徽殿もあの子は、しっかりしているから、大丈夫と言っていた。」


そんなことを思っていないくせに「あの方」はそんなことを言ったのか。


と少し笑えた。


「しかし、二の君は、お前に懐いていたから悲しんだだろう。母と慕っていたからな。いや、姉と言った方が正しいかな?お前たちは五つしか変わらない。」


二の君のあの涙を浮かべた顔を思い出した。

私には、息子はもちろん、弟もいない。だから?二の君の事を本当に可愛いと思った。




でも・・・





「妻になるのは、左大臣の姫、葵だ。凛とした聡明な姫と聞く。」

帝の言葉に、左大臣の姫?私は思わず呟いた。

「左大臣の姫は、二の君よりも四つ年上ですね。」

「そうだ。お前と一つしか変わらない。おもしろいな。母と妻が一つしか違わないとは。」





「・・・そうですね。」




何故かそうとしか返せなかった。




そして、何か心の中にひっかかっていた。熱い・・・
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