YUME話
「楽しみだ。二の君は今でも美しい。烏帽子を被ればどれだけその美しさが増すか。」
帝はそう言うと布団の中へ入った。
「二の君は臣下に下らせる。さみしくなるな。私には子供が少ない。せめてもう一人は欲しいものだ。」
そういうと帝は私をじっと見た。
「お前は亡くなった二の君の母と本当に似ている。お前が私の子を産めば、二の君に似た可愛い子が産まれるだろう。」
私はそれには答えず、髪を梳った。
鏡の中に映る自分の顔を見る。
目元が少し、二の君と似ている、そう思った。
「もう、休みましょう。明日は、忙しくなりますから。」
そう言った瞬間だった。