YUME話
「皆、もうすぐ、行ってしまうのですね。可哀相に。まだあんなに幼いのに。」
「ああ、親御さんもやるせないだろう。あんなに可愛い子達を。どれほど哀れが深いか。」
楽しそうに談笑している彼らを眺めながら切ない気持ちになる。
「私のように身寄りがいなければ、誰も悲しまないのになあ。」
ぼやきのように言ったら女将はきっと私を睨んだ。
「悲しいです。」
その眼にはたくさんの涙を浮かべて。
「貴方が死んでしまえば、私は悲しいです。」
そう言って子犬を拾い上げる。
「この子、私が貰っていいですか?」
「なぜ?」
「貴方と思って大切にします。」