先輩、私恋してるっぽいです。
「そっか、じゃああーげる」
「えっいいんですか!ありがとうございます」
「あははっ、陽奈ちゃん目輝きすぎ」
井崎先輩は笑いながら、先輩の手にぶら下がっていた袋からあんぱんを1つ取り出して、私に手渡した。
変な人じゃなかった。良い人だった。
あんぱんをくれるなんて。
「うまいだろ」
「うまいっす!!」
「ふはっ、陽奈ちゃん可愛い」
可愛い、だって。
このイケメンな先輩が私のこと可愛いだってよ。
……なんだこの地味に湧き上がる喜びは。