ベランダから見える星
「それのタイトルは“ベランダから見える星"
 そのまんまだけど。」


ベランダから見える“星"なんてタイトルだけど星なんか一つも写っていない。


写っているのは暗闇の中に光るいくつかの町の明かり。


地上の星たち。


私は邦光さんの了解も得ずに鞄にしまった。


お気に入りが何枚もあり決められない様子だった拓海を見て邦光さんはそれを全部あげた。


凄く喜んでいる拓海を見て私達は顔を見合わせ笑った。



「…そろそろ本題に入るよ。」


邦光さんの表情を見て思った。


何かが起こる…と。


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