ベランダから見える星
「けどあの親父が兄貴の夢の邪魔をした。
 コンクールに応募しても親父のせいで落選する。
 兄貴は気付いていたけど何も言わず応募し続けた。」


拓海はそこで言葉をきった。


私には辛そうな表情の拓海の手を握ってやることしか出来ない。



「結局最後まで入賞することはなかったよ。
 そして兄貴は強引に親父の跡を継がされることになった。
 そのせいで兄貴にはストレスが溜まっていった。
 ……自殺したんだ。」


自殺…


そこまであの人は我が子を追い詰めたの……?


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