ベランダから見える星
「じゃあ一緒に見てまわろ!」


冗談。と言いたいところだけど。


というか言うところだったんだけど……



「お母さん!」


と聞こえてきた声のせいで…


私は頷いてしまった。


だって…声がそっくりだったの。


私の……弟に。


でもあの家からここに買い物なんて来るはずがないのは分かってる。


分かってるけど…



「せーちゃん,具合悪いん?
 顔真っ青やで…?」


「へっ平気…」


ちゃんと返事はしたのに何が気に入らなかったのか葵は顔をしかめた。


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