ベランダから見える星
リビングに現れた千香と実は,手を繋いでいた。



「見せ付けてんなよ〜」


「いやぁ〜お蔭様で纏まりました!」


冷やかしを冷やかしと受け止めない実はかなり舞い上がってるのだろう。


横で赤面している千香に,私は『おめでと』と囁いた。


そのときに見た,幸せそうな眩しい笑顔は一生忘れることはないと思う。



「次は静の番だよ?」


そう言われて素直に『うん』と返事をしたとき,頭の中で私の隣にいたのはあいつだった。


でも何故かそのときは何とも思わなくて。


どうかしてたんじゃないかと思ったのは次の日だった。



「実っ」


「ん?」


「千香を泣かせたら絶対許さないから。
 覚悟しといてね?」


この言葉冗談なんかじゃないからね?


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