ベランダから見える星
「未緒ちゃん,もう逃げるのはやめなさい。
 私は貴女の幸せも願ってるのよ。」


佐々木さんの言葉は有無を言わせないものがあった。


未緒さんは黙り込み,音緒は目で何かを訴えてくる。


もちろん気付かないふりをする。



「…今どうしてんの?」


私が助けてくれないと諦めたらしく,まさかの音緒から会話をはじめた。


驚いたのは佐々木さんも未緒さんも同様。



「あっ…今は元気。」


「答えになってない。
 まだあいつと一緒?」


「まさか。
 音緒がいたときに離婚してたよ。
 今は一人…」


「よくここ来んの?」


「うん。
 ほとんど毎日。
 音緒はどうしてる?学校は?」


「ちゃんと行ってる。
 生活も慣れた。」


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