ベランダから見える星
「分かった。
 俺も許す…んでありがとう。
 約束守ってくれて。」


「あぁ。
 遅くなったけど,これが鍵と住所だ。
 いつでもいい,片付けとか色々済んだら来なさい。」


拓海も…か。


みんないなくなる。


音緒も拓海も…千香だって実だって。


しょうがないことで,はじめから分かってたことなのに。


寂しいとか思っちゃうんだ。


それは,私だけ前に進めていないから…また一人になるのが怖いんだ。


帰る家があることが羨ましい。



「『いつでもいい』なら半年先でも大丈夫だよな?」


「は!?
 いや,まぁそうだが…」


「俺,こいつが一歩踏み出すまで一緒にいてやろうと思うんだ。
 静のおかげで皆,それぞれの問題を解決した。
 それなのに俺たちが何もしないなんておかしいだろ?」


ちょ…ちょっと待って!


私,何かした!?



「拓海は俺に似て優しいなぁ。」


「自分で言うなっ」


確かに。


いやいや,人のことより自分のことだ。


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