ベランダから見える星
「ご飯の支度してくるからお母さん頼んだ。」


「飯出来てないのか。
 ……おいっ今なんて…!?」


またまた珍しい表情が拝めた私は答えることなくキッチンに向かった。


多分お母さんが全部話すだろうから。


…にしても冷蔵庫に何も入ってないのは何故?



「静,今日は出前でいい。」


やった。


今日はマンションの方には誰もいないから食べて行こうっと。


贅沢しちゃえ,と少し高めの丼物を頼み,私はリビングで寛いでいた。


♪〜♪〜〜


メールを受信した携帯が静かなリビングに響く。


電話でもないのに慌てて手に取ると千香からのメールだった。


【やっほぉぉお★
 解決しました(>□<)b】


…何が。


主語がないメールに溜め息をつくと調度出前が届いたらしい。


お父さんが受け取っているうちにお茶を容れる。


やっと泣き止んだらしいお母さんはお化粧ボロボロ。


思わず笑うと頬を膨らませて怒ったお母さんは大人の皮を被った子供みたいだった。


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