ベランダから見える星
「幸に対してモヤモヤしてるの馬鹿馬鹿しくなっちゃってさぁ。
 それで呼び出したけど,まさかリアルに水かけられるとは思わなかった!」


「そっか千香も悩んでたんだね…
 って水かけられたの!?」


『うん』とケロッと答える千香にある意味恐ろしさを覚えた。


その後に続く言葉が読めたからだ。



「あっもちろん倍返しよ?」


……。



「みっ…実はすっきりした?」


「まぁな。
 …すっげぇ怖かったけど。」


「察します。」


私は実を拝むと,実はソファーに倒れ込んだ。


千香,女の修羅場は男に見せるもんじゃないね…。


まぁ実は無関係じゃないからしょうがないけど。



「まっ千香もお疲れ。
 これでしばらく安心?」


「うんっ」


「よかった。
 じゃあ私先に寝るね。
 おやすみ。」


2人の『『お休み〜』』を背中に聞きながら部屋に入った。


表面上では解決したように見えて,まだ全部が解決したわけじゃないことに今さら気付いた。


まだ拓海も音緒も父親のことはまだだ。


< 298 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop