ベランダから見える星
私だって周りからしたら解決したように見えなくもない状態だ。


まだ何か起こる。


今が私たちにとって困難な時期なんだ。


これは乗り越えるべき壁なんだ。


頑張ろう,もう一人じゃないから。





「せーちゃんっ
 一緒帰ろぉや!」


翌日,全授業が終わった頃,ここ最近静かだった…いや学校に来てなかった葵が今更現れた。


『来る意味ないじゃん』と皆から突っ込まれながらも,私に近付いてくる。



「久しぶり。
 しょうがないから一緒に帰ったげる。」


「さすがせーちゃんやなぁ。」


この頃,私と葵が付き合っていると噂になっているらしい。


そういうことを気にしない私たちは益々ネタにされていくのだが…



「風邪でも引いてたの?」


「いや,“妹”が学校休みだったから。」


妹の子守しなくちゃ駄目…ってことでもなさそうなんだよね。


聞いていいのかが分からない。


何だか受け止められないような気がするの。



「休んでた分のノートは机の中入れておいてあげたから。」


「ありがと。
 今度御礼する。」


「当たり前よ。
 コピーじゃないんだからねっ」


時間が余ったから手書きしただけだけど。


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