ベランダから見える星
「ただいま。」


「「おかえり。」」


珍しく拓海と実の2人がリビングで寛いでいた。


千香は…?


この頃私より早く教室を出ていっちゃうから実とデートだと思ってたのに。



「千香なら実家。」


「えっ何で考えてること分かったの!?」


「喧嘩したの?みたいな疑いの目で見られたら分かる。」


…そんな目してた?


あははっとごまかして,拓海の方に逃げる。


読んでる雑誌を覗いてみると,どうやら写真の雑誌みたい。


そこに見たことのある写真が載っていた。


…“ベランダから見える星”



「邦光さんの特集?」


「あぁ。
 この人に会ったことあるなんて信じらんねぇ。
 写真まで貰ったし…」


拓海の中では邦光さん凄い高いところにいるからね。


私なんてただの写真撮ってるおっさんくらいにしか思ってないのに。


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