ベランダから見える星
「あっ静に報告。」


「ん?」


「俺の写真も載ってるんだ!」


へ!?


いつの間に投稿してたのよ!?


慌てて探そうとしたら『ここ』と拓海がある写真を指さした。


一輪の向日葵の写真だった。


題名【輝き】
一ノ宮 拓海


「すごい…」


「入賞だけどな。
 …でもやっぱ嬉しいかなぁ。」


子供みたいな無邪気な笑顔の拓海を見て,もう一度写真に目を戻した。


凛と咲いている向日葵の輝きをよく見せてると思う。



「拓海おめでとうっ」


「ありがとな。」


拓海なら大丈夫。


グランプリ取れるよ,絶対。


邦光さんのおかげで写真を見る目はあるんだから。



「お父さんに報告したら?
 『どうだ!』って挑戦的な感じで。」


「何言って…」


「これ見たら何か変わるかもしれないじゃない。
 見せなかったら変わらない,見せたら変わるかもしれないし変わらないかもしれない。
 少し光が見えるでしょ?」


しばらく考え込んでいた拓海は携帯を手にし,誰かに電話をかけた。


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