ベランダから見える星
無理矢理教えられた電話番号にかけてみるけど電源が入ってないらしい。


こうなったら待っててやる。


……


………


……………


かれこれ一時間待ってるけどまだ帰ってくる気配はない。


コンビニでも行こうと試みた私はやみくもに歩く。


いや,ちゃんと考えて歩く。


すると前から綺麗な人が歩いてきた。


その隣には子供らしい,私と同じくらいの子が1人。


思わず見とれてしまうくらい綺麗な親子。



「ゆとりちゃんが一緒にお散歩してくれて嬉しいわ。」


「私もママとお散歩出来て嬉しいよ?
 だから早く元気になってもっと遠くに行こうね。」


お母さん病気なんだ…


見すぎていたのか“ゆとりちゃん”が私を見た。


一瞬驚いた顔をしたゆとりちゃんは,すぐに顔を背けてしまった。


そして驚いたのはゆとりちゃんだけじゃない。


私もだ。


気のせいであってほしい。


……なんで?


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