ﾍﾞﾗﾝﾀﾞから見える星
その日の放課後，急いで実家に帰って部屋に篭った。


…帰り際，先生に呼びだされて言われたの。


『一年だけでも留学しないか？』って。


英語は１番得意で１番好き。


そこそこ喋れるけど発音がやっぱり日本人らしさが抜けない。


だから一年留学すればより近付けるだろうって先生が色々資料をくれた。


正直揺れた。


今まで留学なんて選択肢は頭になかった。


進路を考えてからはじめて，『そうしたい』と思えた。


向こうでやってみたい。


けど…



「静ちゃ−んっ
　帰ってきてるの−？」


お母さん帰って来たんだ。


もうこの頃はお母さんと呼ぶことに違和感はなくなっていて，家族4人で仲良くやってる。



「いるよ−っ」


返事をしなから部屋を出ると，お母さんはﾆｺﾆｺしながら静奈を抱いて立っていた。


私は『はいはい』と静奈を受けとる。


最近，お母さん料理するようになっちゃって，その間は静奈を私が見る。


はじめはお母さんと静奈両方見てなきゃ駄目だったんだけど，今じゃ結構上達してて美味しいご飯が出てくる。


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