ベランダから見える星
「当たり前じゃない。
 まぁ条件はあるけどね?」


「ありがと。」


条件つきなんてお母さんらしいな。


…あとはお父さんか。


何だかんだで一番渋る人なんだよね。


本当は一人暮しも反対だったらしい。


確かに打ち解けてからは何かと過保護だなと思う。



「あと,お父さん説得してくれる…?」


って言ったらお母さんは何故か驚いた。



「まだ静一郎さん知らないの!?」


「あっうん。
 お母さんに言ってからと思って…」


するといきなりお母さんが抱き着いてきた。


静奈が危ないじゃんっ



「お母さん嬉しいよ−っ」


「は!?
 ちょっ意味わかんないっ」


「まさか先に進路聞けると思ってなかった−っ」


あ…


『静一郎さんに自慢しなきゃっ』とはしゃぐお母さんに何も言えなくなった。


私も同じようなこと考える。


血が繋がってないから,静奈が大きくなったら私より静奈を頼るだろうって。


少しはそういう思いが消えなくて。


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