ベランダから見える星
「ってバイトするの!?」


「少しは経験しとかなきゃだろ?」


すでに夢に向かって歩いていってる音緒が眩しかった。


だから負けてられないと思って言っちゃった。



「私も進路決まったよ。」


「まじ?
 どこの大学だよ。」


「留学。」


というと音緒は何か考えこんでしまった。



「そんな大学あったか?」


この時本気で馬鹿じゃないかと思った。


大学じゃないから,と突っ込む気も失せ,私は溜め息をつく。



「まさか…外国に行くとか言わないよな?」


「そのまさかだけど?」


何をそんなに驚く…って驚くよねぇ。


進路決めたと思ったら留学なんてさ。


実際,私もびっくりよ。



「みんな知ってんのか?」


「ううん,お母さんと音緒…とお父さん?だけ。」


「葵は?」


「まだだけど?」


すると急に嬉しそうな顔をした。


私はというと音緒の口から“葵”と出たことにたいして,ただただ驚いていた。


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