ベランダから見える星
「せーちゃん!」


「姉さん!」


何だか倒れそうだった。


招き入れたのはいいけど…この空間に耐えられるだろうか。


誰だという目で葵を見るのは拓海と実。


千香に説明され,苦笑いしてたけど…何て説明したんだろ?


ふと時計を見ると5時半になろうとしていた。



「あっ拓海は予備校,実はバイトでしょ?」


「「でも…」」


「大丈夫だから。
 千香もいるし…ね?」


大事なこの時期に予備校を休ませるわけにはいかないし,バイトもこんなことで休むなんて。


ましてや始めたばっかりなら尚更。


とりあえず2人を見送り,リビングに戻る。


そこはとても空気が悪かった。


リビングのソファ-に千香と音緒が座り,一応客間にしている普段使ってない場所のソファーに葵と京介が座っていた。


私も自分のソファーに座ると,千香が『どうする?』と声をかけてきた。


どうするって…


どうしたらいいんだろ。



「せーちゃんこいつ誰!?」


京介を指差し,ジタバタする葵。


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