ベランダから見える星
「私は静一郎さん…君のお父さんの妻で,静ちゃんの義母です。
 ごめんなさいね。
 君の家庭を壊してしまって。」


頭を下げるお母さんに私は何も言えなかった。


普段はあんなでも色々考えてるんだってことを改めて思い知った。



「本当にそうですよ。
 お陰で僕がどれだけ苦労したか…」


「苦労?誰が?」


にっこりと笑顔で返す言葉に私は思わず背筋を伸ばした。


明らかに怒ってる。


というか今キレたみたい。


どこにそんなNGワードがあったか分からないけど。


プッツンいくならさっきでしょ…?



「僕に決まってるじゃないですか。」


「ふざけないで。」


すっと笑顔が消え,お母さんの初めて見る表情に思わず葵の服を掴む。


葵は掴んだ手を『大丈夫』というようにギュッと握りしめてくれた。



「確かに君も苦労したでしょう。
 嫌な思いもたくさん。
 けどそれは君だけじゃない。
 分かるでしょう?」


京介は言葉を詰まらせる。


お母さんはそんな京介から目を反らすことなく話を続ける。


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