ベランダから見える星
「私たち家族なのよっ?
 関わらないなんて無理よっ」


「知ってる?
 家族って『ただいま』って言ったら『おかえり』って返ってくるのよ。
 それがドラマの中だけじゃないことを…私は知ったの。」


だからもう戻れない。


あんな息苦しい毎日には。


京介…あんたもいつか分かるといいね。


今は許せないけど,お母さんといたらいつか,許せる日がくるかもしれないと思えてきた。


だから…その時までに京介もお母さんみたいないい人を見つけられたらいい。


大嫌いだけど,私と同じような思いだけはしてほしくない。



「もう静を幸せにしてやってくれ。
 これは俺からの最初で最後の頼みだ。」


深々と頭を下げるお父さんを見て,泣きそうになった。


でも,泣くのは今じゃない。



「ふざけないでっ
 こんな奴何も価値ないじゃない!
 だから私が有効に使ってあげようとしてるんでしょ!?」


「ふざけてるのは貴女です。
 口を慎んだほうがいいわよ?」


……ちょっなんでっ


何でいるのよっ


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