ベランダから見える星
「そっか。
 よかったじゃん。」


「ありがと。」


ねぇ葵,今でも私のこと好きですか?


明後日には近くにいなくなる私のことまだ…


あの人の問題が解決してもずっと言えなかった。


距離が怖くて言えなかった。


もし付き合えても,すぐに遠距離になる。


そうなったとき距離に勝てるのか。


葵が別の人を好きになったとき…私は手放せるだろうか。


そんな思いばかり過ぎって,私は今までずっと言えなかった。



「今日はあいつらと過ごすんだろ?」


「うん。
 明日が家族とだから。」


葵…これでお別れだね。


よかったよ,葵に会えて。


大切な気持ちもらえたから。



「明後日,絶対見送り行くから。
 時間と場所教えてくれるか?」


嘘…


来てくれるの?


期待してもいいの?


可能性見つけちゃっていいの…?



「うっうん!
 場所は−…」


嬉し過ぎて何を言ったか覚えてないけど,ちゃんと伝えられたはず。


そしてその後の催しを私は浮かれ気分流し,そのままマンションへと帰った。


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