ベランダから見える星
「それでは!
 みんなの旅立ちを祝って乾杯っ」


「「「「乾杯っ」」」」


マンションに帰ってきて,すぐに準備を始めたけど…


結局夕方からの食事になってしまった。



「今日でこの家に帰ってくることなくなるんだなぁ…」


「毎朝言い争う声も聞けなくなるんだね。」


ご飯を食べながら思い出すのは大切な思い出。


はじめて会った時のこと。


5人暮らしをすることになったこと。


そして次々に問題と向き合っていくことになった。


千香,拓海,実,音緒,そして私。


みんなで支え合っていったね。


進路も相談したり,些細なことで言い争ったり…


私と実以外は受験生だから夜食作ってあげたり,陰でサポートした。


実の就職試験の時はみんなで練習に付き合った。


私は留学の為のいろんな準備を手伝ってもらった。


思い出せば思い出すほど,ここを離れたくなくなる。


みんなと離れたくなくなる。



「なんか信じられないよな。」


「そうだな。」


感傷に浸ってる音緒と拓海。


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