ﾍﾞﾗﾝﾀﾞから見える星

翌日。


私たちは起きた人から順番にﾏﾝｼｮﾝを出ていった。


みんな『いってきます』って言って…



「静ちゃん！
　そろそろ出るわよ−。」


このﾏﾝｼｮﾝを出るのは私が最後。


お母さんのﾏﾝｼｮﾝだからね。



「あら，ﾙﾅちゃんは？」


「もうお父さんが連れて行った。」


自由奔放に過ごしてきたﾙﾅも一緒にお引越し。


でも向こうには連れていけないから…


葵に預けることにした。


もう飼えるようになったみたいだから。



「ほら早く！」


お母さんに急かされて，部屋を出る。


もちろん『行ってきます』と頭を下げて。



そしてその後が大変だった。


明日の準備がまだ終わってなくて，ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ準備。


お母さんは妊婦なのにじっとしてない。


ﾙﾅと歩けるようになり，行動範囲が広くなった静奈は暴れる。


お父さんはそんなみんなを止めるのに必死。


今日，明日でしばらくお別れなのに…この雰囲気。


逆に嬉しいかも。