ベランダから見える星
だから聞かない。


知ってるならそれでいい。



「じゃあ俺達これで!」


そういって葵が立ち上がったのは,お酒を飲んで酔いが回った頃。


私の腕を掴んで歩きだす葵に少し文句を言いながらも,ついていってしまう。


千香だけが騒いだけど,あとのみんなは『またね〜』だもんな。


寝ていたお父さんはともかく,お母さんはどうよ?


なんて思っていると着いた葵の家らしきところ。


私は今日ここに泊まるのか。



「ルナがせーちゃんのこと待ってるよ。」


部屋の前に着き,ドアを開けると…


ルナが飛びついてきた。


服が…ってルナなんだか犬みたい。



「今日は泊まってってくれませんか?」


「嫌って言ったら?」


「何もしないからっ
 今日はただ…一緒にいたい。」


私も葵と同じ気持ちだよ…。


3年もよく耐えたよね。



「泊まってくよ。
 可愛いルナのために。」


素直じゃないけど許してね?


それから葵のスウェットを借りてベッドに潜る。



「おやすみ,葵。」


「おやすみ,せーちゃん。」


私たちは抱き合って眠りについた。


それはもう,とても幸せな気分で−…。


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