ベランダから見える星
運悪く校門だったので周りの生徒は好奇の目で私達を見ていた。



「静,家に帰って荷物をまとめたらこの紙に書いてある場所に来なさい。」


父親は私の手に1枚の紙を握らせこの場を去っていった。


全然状況が飲み込めずとにかく家に帰ることにした。


家に着くと自分の家と思えないくらいに荒れていた。



「ただいま…」


いつもは言っても無視されるから言わないけど私の存在に気付いてもらうために言った。



「あら帰ってきてたの。
 あの人には会った?」


「うん…。」


何年振りの会話だろうか。


あの日からまともに話した記憶がないな…。


< 5 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop