ベランダから見える星
先生はそんな伊崎に諦めているのかホームルームを終わらせ教室を出ていった。



「こいつやろ!
 あんたがおうた奴は。」


その言葉に振り返ると私がルナを拾った日に会った男がいた。



「ルナを飼うてくれておおきにやで!
 せーちゃん。」


この声はさっきの伊崎のものだった。



「えっと…」


「これヅラとカラコンやねん。
 用事があってこの格好やったんや。」


「伊崎なの…?」


「伊崎やなくて葵って呼んでや〜」


伊崎…葵に笑顔で言われて断ることが出来なかった。


< 59 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop